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日本の処方箋 序章二 佐郷屋精神

 九月十五日和田掘本願寺において、故佐郷屋嘉昭の三十五回忌法要が行われました。

 「大丈夫の心 棺を蓋って後 知れ」とは明治の政治家星亨(とおる)の 言葉ですが、生きた言葉でした。その佐郷屋精神を継ぐ門下生で溢れました。浜口雄幸首相の御命を奪った事件当時、死刑判決に助命嘆願書が山ほど寄せられたのには、浜口首相が統帥権を犯したという当時としては一面の道理もあるにはありました。

 偶々現天皇の御生誕に因って死一等を減ぜられ、社会に復帰してからは、朝晩読経を絶やさず、一人息子である佐郷屋嘉洋氏の言では、影参りを致していた由です。私も時々訪問した時には、長い般若心経にぶつかって待たされたものでした。佐郷屋嘉昭氏からは何一つ後悔も自慢も聞きませんでしたが、「無私無欲」如何なる者の言でも「國の為」の一言で、参画又は協力してきました。私には命を奪った浜口首相に対する贖罪に、浜口首相の分も「國の為」と心掛けていた様に感じられました。佐郷屋精神の真髄は戦後のこの佐郷屋氏の姿勢を言います。これも侠の精神の一つの姿だと思います。

 次回は愛国者日本のヤクザにいよいよ触れます。ご期待下さい。